2012年9月18日

祖父が88歳で亡くなった。邱永漢と同じ。末広がり。
中国語でも「8 ba」はお金持ちになるっていう意味の「发财 Fa cai」の「发 fa」と音が似てるから縁起の良い数字。88。邱永漢みたいなお金持ちではなかったけど、おじいちゃんも仕事柄お金とは一生付き合ってる人だった。
若い時から全くの健康で体力もあるのに何故か常に動作がゆっくりしてて見る人にヨボヨボ感を感じさせてた事もあり、祖父母の中では一番「おじいちゃん」然としたスローライフを送っていた。でも常に食欲旺盛だし、お酒も飲むしで、つまりはとってもマイペースな人で、一番長生きするだろうと誰もが思ってた。で、実際祖父母の中では本当に一番長生きした。

私の身体的特徴はほとんど父親譲りなので、父方の親戚と共通点がが多い。だから性格も感性も中身も全て父方の物だと、小さき時からこれまでずっと思っていたのだけど、ほんの最近になって、感性や物の見方は母方の部分が多いのかもしれない。と、よく感じてた。
母親は自分をあまり表に出さない人なので(仲も良いし、よく遊んでるけど)、正直人間的にどういう人なのか知らない事が多くて、最近になって、私が大好きな「落語」や「Mr.Booシリーズ」等はかつて母も好きだった物達だと知ったりして驚いた。コレまでの思い込みもあり、母と共通点があるなんてむしろ考えた事無かった。そんな事に本当にここ最近気がつくようになって、私自身の変化なのかもしれないけど、面白いなぁーって思ってた。
母とおじいちゃんは似ている風には見えなかったけど、そういえばおじいちゃんは、お医者さんの事信用しないで、薬は絶対飲まないし、思い込んだら「あいつは詐欺師だ!」とか聞いてる方は突拍子もない事言い出すので頑固ジジイとか変人とか私の母親は言っていたけど、私は逆に世の中の事を少し捻って、物事を見極めようとしてる所とか、とにかく自分で判断してて、おじいちゃんになっても世間の変化に対して柔軟に勉強してるところとか、新聞は2、3社購読してて必ず毎日目を通して情報収集を欠かさないところとか、尊敬してた。つまり割りと共感してた。
そういえば私が中国に行くって言った時に唯一、「あの国は複雑じゃけど、学ぶ事は多いけん。中国の人としっかり仲良くなってきなしゃあ。」って言ってくれたのはおじいちゃんだった。

敬老の日だったのに電話もしなかったし、最後に会ったのは2年前の中国から帰国した直後だった。すごく好きだったし、もっと話しを聞きたかったな。