情報取扱説明書は本当に必要なんでしょうか?

【CDや本が売れなくなってきた件】
http://blog.hiroko.com/000061.html
谷山浩子

このエントリを読んで、「あぁ、なるほど。なんか思い当たる。」と思って色々考えているうちにこのエントリを書いている谷山さんの言っていることと私の思ってることが段々ズレてきた。なんのズレなのかハッキリ説明できないので忘れないように記録することにした。


情報が増えると人の目は肥える。目が肥えると自分の好きな物の条件がどんどん増えていくので好みもどんどん狭くなるかもしれない。もしくは、色々ないい物のいいところが分かるようになって好みの幅がどんどん増えていくかもしれない。自分の好きな物がはっきりしていくのはきっと確か。

でも、それは情報を上手く使った場合なんだと思う。

デジタル化することによって情報の量が増えて、自分の「好き」に接触する機会は劇的に増えているはず。なのにそこから自分の好きを選び取れない。触れる情報と選択する情報は違うのにごちゃごちゃになって情報にまみれるという様な状態になるのはこういうことなのもしれない。

情報をツールとして使わないとこういう現象が起きるのではないかなぁ。と。

私にとって音楽は、ラジオで聴く、アーティストを雑誌で調べる、CD屋さんで視聴する、買う。という方法が一番最初だった。

今は新しく聴く機会を作るというものが自分の生活条件上あまりできないので好きなアーティストをひたすら聴いている。でも、私はこの好きなアーティストのCDは必ず買う。
あと最近ではアニメも見るようになったけど、これも大好きなアニメは買う。しかも何度も見る。平均にすると1年で1日0.5回くらい見ているかもしれない。

3年前のアマゾンの履歴を先日確認したら、毎月だいたい3個〜5個のアイテムを買ってて一年間で50個くらいの物を買ってた。買いすぎだと思って次の年から3ヶ月に1、2個のアイテムまで。ってルールを作ったのでこの一年間だけがやたらとひどいことになってた訳だけど、流石に数字で見るとゾッとした。この大人買いというのは谷山さんが言う様に、特に本に関しては一つ一つのアイテムを大切に読まなくなるし、読み途中で投げ出してしまっているパターンが多かった。
購入した時点で満足してしまってる。ここの部分、直接つないでしまうのは違うかもしれないけど、結果としてそういう傾向になる事実があった。
これはすごく分かった。

でもって次に、谷山さんのエントリーがデジタルの話になるんだけど、私の場合で言うとデジタル化された情報は本当に便利だと思ったのはこの1年。理由はあるけど、それは別の現象なので割愛。とにかくデジタルは便利。このはてはサービスだって何年も前から知ってたけど何度開いても意味が分からなくて使いこなせなかった。
でも、はなてブックマーク、使えるようになるとすごく大きなネットワーク(繋がりから探す場合、情報が平均かどうかは別として)から自分の力意外のところから情報を探し出せる。これは情報に触れる機会が増えること。で、ブックマークするかどうかは自分が情報を選ぶこと。でも、私がこれを使っていて思ったのは、「あとで読む」タグを付け出すとカオスになる。最初の時は時間がないときに付けてたけど、実際、その情報を引き出したい時に、その情報を実際に読んで知っていないと引き出せないから、その「あとで読む」に欲しい情報があるかどうかなんて永遠に分からない。だから、「あとで読む」にするならブックマークしない。本当にあとで読みたい場合はGmailの未送信とかに入れて分かるようにタイトルを付けておく。

まぁ、私の初心者デジタル情報取り扱いライフハックなんてのはどーでもいいとして、とにかく、デジタルデータ化で私たちはすごくありがたい恩恵を沢山受けているとはずだと思ったこと。

多くの情報があるばかりにその中から「あとで読まない」いらない情報を手元に置いて混乱しているということと、有り余る多くのお金があるばかりに「あまり好きじゃない」物を便利にかまけて買いすぎているのではないかな。と思った。

媒体の表現方法として音楽が付いたり、携帯から出版出来たり、アニメーションと一緒になったり、よく分からないけどすごい楽しそうなのに、不安に思ってしまう。この切ない気持ちはリアルすぎて心のうちの厳しさを垣間見てしまった。知名度があり、いろんな人の目に付く仕事をしている人でもこういう不安を抱くくらいに何かがクリエイティブさを蝕んでいるのかな。とも思ってまた少し怖くなった。

とか色々と現在進行形で書きながら考えているんだけど、今現在のオチはお金の使い方を変化させるっていうのは結構クリエイティブで面白いかも。って言うことと、私の日本に帰りたい気持ちはどう処理したらいいのだろうという個人的なことです。

【まだ考えていること】
デジタル化した情報に消費という感覚を持つことについて:
情報は元々消費されるもの。新聞は毎日捨てられる。デジタルデータとして添付、コピーされて配布されるということについて、触れる機会と売り方という問題。本物を選ばせてから買わせるのか苦労報酬で買わせるのか。情報の発信の順番と販売についてということ。

情報が人をクリエイティブにする場合。
クリエイティブな才能がクリエイティブに情報を発信する場合。
触れる情報が大量であることは大切な一面もある。

良くないのは皆がクリエイティブではなくなること。