梶井基次郎 檸檬

 ‐好きな箇所抜粋

 えたいの知れない不吉な塊が私の心を終始圧えつけていた。

 一体私はあの檸檬が好きだ。レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈の詰った紡錘形の格好も。

 その檸檬の冷たさはたとえようもなくよかった。


文章の構成の美しさにもっと着目することにした。
そのバランスをもっと具体的に捕らえよう。

檸檬の構成とバランスの美しさは現実を壊す可能性を持っている